まず初めに織る着尺地や帯地のデザインを決め、
図案を作成します。
染色の前に、糸についている不純物や油、
汚れ等を取り除く「精練」という工程を行います。
図案を基に経糸(たていと)を染色していきます。
染料には用途や素材にあわせて天然染料※1や
化学染料を用い媒染剤や色止剤で色素を糸に定着させます。
※1 天然染料とは沖縄に昔からあるフクギや
オキワナサルトリイバラ(グール)、シャリンバイ、
琉球藍などの植物染料や県外や国外から入ってきた
植物、動物、鉱物染料など
経糸は織るときにかなりテンションがかかります。
また強い力がかかった状態で綜絖を上下に開きます。
その際経糸は上下に引っ張られ、
更に絶えず続く開口運動により隣同士の経糸がこすれていきます。
なので、糊付けを行うことで経糸の羽毛立ちを防ぎ
糸に強度を持たせることで織りやすく、また製品の風合いを
損なわないようにする為に、糊付けを行います。
天気がいい日に数日かけて乾かします。
綛状になっている糸をふわりと座繰器(ざぐりき)を
使って木枠やボビンなどに巻き返す作業になります。
木枠やボビンに巻いた経糸を図案沿ってに
必要な本数と長さを一定の張力で引き揃える作業になります。
本数を確認しながら図案のデザイン通りに経糸を並べていきます。
整経、縞割で揃えた経糸を図案と照らし合わせながら
順番に筬に通していく作業になります。
この「仮筬通し」をすることで織り幅を確保していきます。
仮筬は経巻後には外してしまいますので本筬通しよりは粗目に入れていきます。
経糸の張力を一定に保ちながらはたくさ(ボール紙)を
はさみ千切箱(ちぎりばこ)に巻きとっていきます。
経糸を上下に動かす仕掛けを綜絖(そうこう)と言い、
綜絖には金属で作られたワイヤーヘルドやデザインなどに
よって作る糸綜絖などがあります。
綜絖には糸が通る穴があいており
そこに経糸を一本ずつ通していきます。
本筬通しは経糸の織幅を確保しつつ緯糸を打ち込む為に糸を通すので、
筬目(糸を通す隙間)※2に丸羽(まるは)※3順番良く通していきます。
仮筬通しと違い織りあがるまで外すことはないので慎重に通していきます。
経糸を織機にセットし織り始める準備をする作業です。
この時にすべての経糸の張力が一定になるように
織機に結び付けていきます。
織り付け後、試し織をし全体の張力のバランスや、
糸の通し間違いがないかを確認します。
確認が出来ましたらでデザインにあわせて用意した数種類の
緯糸(よこいと)で織りデザインや経糸との色あいをみていきます。
色合いが決まった緯糸(よこいと)に
あわせて緯糸を染色をしていきます。
緯糸を木枠やボビンに巻いたの管にまいていきます。
経糸を機(はた)にセットし緯糸を
織り込んでいきます。
帯や着尺など反物は水洗いし、ふのりを引き、
伸子張りで反物の幅を整えていきます。
※コースターなど木綿の製品は洗い張りは行いません。
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